Marco の本棚

~紙の削減~ 著作権切れの名著

1908-01-01から1年間の記事一覧

夏目漱石『坑夫』3

話すとこうなる。――いよいよ死んじまえと思って、体を心持後あとへ引いて、手の握にぎりをゆるめかけた時に、どうせ死ぬなら、ここで死んだって冴さえない。待て待て、出てから華厳けごんの瀑たきへ行けと云う号令――号令は変だが、全く号令のようなものが頭…